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2018/8/6

医療キュレーター実践会 第18回セミナーのご報告

医療キュレーター実践会では、医療、介護、健康、まちづくりの分野における新たな取り組みについて学ぶセミナー、自分で実行していける力をつけるためのワークショップ、メンバー同士でテーマを持ち寄り課題解決を実践していく、という取り組みを行っています。
今回は医療経済学の第一人者である西村周三先生にご講演頂くことが出来ました。西村先生は2016年度から関西学院大学経営戦略研究科で医療経済学を担当してくださっていて、その授業を聴講したことから今回のセミナーが実現しました。

「ベーシックインカム(最低限所得保障制度)導入の可能性 ~日本の社会保障制度から考える~」というタイトルで、事前に、ベーシックインカムの基本的な資料を配布した上で、先生のご講演が始まりました。

ベーシックインカムの議論はもう既に尽くされていて時代遅れです、というコメントから始まったときはどうなることかと思いました。

ベーシックインカムはヨーロッパにおける若者の失業率の高さから導入を検討された経緯があり、最近もフィンランドで試行されたがすぐにいったん停止(もしくは終了?)になったこと。日本では若者の失業率がさほど高くないために状況も違うということを教わりました。他にも、ベーシックインカムの導入の可否を考えるには働き方の観点、生活保護などの社会保障制度の観点など、理解しておくべき制度や社会状況が多い、次にベーシックインカムの導入を検討する時期はAIとの兼ね合いによる働き方の大きな変化であるとのこと。経済、医療はもとより、政策、政治、財政などの分野を縦横無尽に数値を示しながら話してくださる西村先生のご講演に、一同ただただ聞き入るばかりでした。日本の社会制度を作る側から俯瞰的に見るだけではなく、現場に足を運び生の声を聞く研究スタイルには驚きました。海外の事例も「一事例に過ぎないが・・・」といいながら生々しいお話をしてくださいました。
事後のアンケートでは、自分がいかに知らないか分かった、もっと勉強したいというコメントが多く寄せられました。今年の年末頃には、題材を変えてまたご講演いただける見込みですので今から楽しみです。

医療の内外の方が垣根を越えてフラットに話せる場になってきたことを感じ、この場を作った全ての皆さんに感謝いたします。