2019/2/28

社会人のための経営管理会計エッセンス(徳崎 進)

管理会計は、企業価値の増大に代表される業績向上を使命とする経営管理者に、優れたマネジメントを実現するための有用なツールを提供するアカウンティングの重要分野です。本講義では、財務諸表分析を皮切りに、予算や差額原価収益分析などの伝統的な管理会計技法から、バランスト・スコアカード、ABC/ABM,DCF法、EVA法といった近代的な管理技法までを多様に盛り込みながら、意思決定、利益管理、原価管理の区分に沿って、戦略的計画やマネジメント・コントロール、オペレーショナル・コントロールのための主要な理論と今日的テーマを抽出し、講義と演習を通じて平易に解説していきます。

【講師】

徳崎 進

公共経営学修士(MPA)ハーバード大学 博士(経営学)甲南大学
米国公認管理会計士(CMA)・米国公認財務管理士(CFM)

2005年より現職。専門は管理会計学。日本管理会計学会関西・中部部会会長。大手私鉄グループ、米欧の巨大金融機関、世界ビッグ4会計事務所国際組織の管理職等を経て教育・研究に専念。四半世紀にわたる「VBM(価値創造経営)」探究を具現した研究で専門分野の著名2学会より日本管理会計学会2012年度学会賞(文献賞)ならびに日本原価計算研究学会平成24年度学会賞を受賞。英語による会計学・経営学教育の発展にも注力し、学内外で多くの英語授業を担当。英国国立ウェールズ大学講師(2004年~2005年)、東北大学客員教授(2017年~2019年)、台湾国立中正大学兼任教授(2020年~2022年)などを務めた。日本管理会計学会関西・中部部会評議員(2007年~現在)、アジア太平洋管理会計学会(APMAA)運営委員(2012年~2014年)、IMA(米国管理会計士協会)西日本支部副代表(2018年~2020年)、日本管理会計学会関西・中部部会副会長(2020年~2023年)等を歴任。関西学院中学部・高等部・大学(商学部)卒。主な著書・論文に、『ファイナンシャル・マネジメント・ハンドブック』(東洋経済新報社、2002年)、『VBMにおける業績評価の財務業績効果に関する研究』(関西学院大学出版会、2012年)、『ビジネスパーソンの創造性マネジメント』(中央経済社、2024年)などがある。

主な担当科目:管理会計論、意思決定会計論、企業ファイナンス、創造性マネジメント

【受講をお勧めしたい方 】

・管理会計をこれから本格的に勉強したいと考えている初学者の方
・現在あるいは将来の管理職としての職務に役立てるべく今日の経営管理上の問題に関する理解を深めたいと考えている方など

【カリキュラム】

第1回 2019年9月8日(日) 12:15~14:45
差額原価収益分析

マネジメント・アカウンティングの歴史と体系、意義、膨大な技法・ツールのラインナップを鳥瞰したうえで、短期的な意思決定である業務(執行)的意思決定の諸課題を整理し、関連収益・関連原価の概念と計算法を学ぶ。

第2回 2019年9月8日(日) 15:00~17:30
設備投資の経済性計算

長期的な意思決定である構造(戦略)的意思決定の重要課題であるプロジェクトの評価に関して、手順と手法・関連キャッシュ・フロー計算プロセス等について学習する。

第3回 2019年9月15日(日) 12:15~14:45
予算 vs. バランスト・スコアカード(BSC)

経営管理の全段階に貢献するマネジメント・アカウンティングの基本的技法として、財務諸表分析のアート(芸術)を垣間見たうえで、予算とBSC両者の機能と意義、併用のメリット/デメリットを学び、マネジメント・コントロール・システムと戦略経営システムの異質性を理解する。

第4回 2019年9月15日(日) 15:00~17:30
価値創造経営(VBM)

企業価値及び株主価値を重視する経営管理に最適な意思決定・業績評価基準としてのEVA(経済付加価値)の理論と活用法を学ぶ。

 

※本講座のお申込受付は終了しました※