2018/2/16

会社法 ―判決文を読んでみよう―(岡本 智英子)

条文の解釈には、判例が重要な役割をもっています。会社法で現在、問題となっている判例について、実際に判決文を読んでもらうことによって、検討していきます。裁判の仕組や判決文の読み方から説明しますので、判決文を読んだことのない方でも心配ありません。

【講師】

岡本 智英子

慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程民事法学専攻単位取得満期退学。高知大学人文学部助教授等を経て2007年より現職。ベルリン・フンボルト大学法学部客員研究員(2015年9月~2016年9月)。日本私法学会理事(2019年10月~2021年9月、2022年9月~2023年9月)。専門は商法、会社法。株式による資金調達における株主保護のあり方について、ドイツ会社法がアメリカ会社法とどのように対峙あるいは受容してきたのかについて研究中。著書に『募集株式発行の効力論』(税務経理協会、2007年)、『会社法の基礎(第2 版)』(法律 文化社、2021年:共著)、『民法とつながる商法総則・商行為法(第2版)』(商事法務、2018年:共著)がある。

主な担当科目:企業法、商法、会社法、企業法課題研究

【受講をお勧めしたい方 】

・株式会社の法的構造については知識があるが、会社法をより深く理解したいという方。
・判決文を読めるようになりたい方。
・条文の解釈とは、どういうことなのかについて興味のある方。
・会社法において、今、何が問題となっているのかを知りたい方。
・株主は、株式会社に対して何が出来るのかについて知りたい方。

【カリキュラム】

第1回 2018年12月2日(日) 12:15~14:45
粉飾決算と株主総会決議

裁判の仕組み、判決文の読み方を説明しながら、オリンパスの粉飾決算事件と株主総会決議が問題となった判例(東京高判平成26年8月6日)を取り上げます。

第2回 2018年12月2日(日) 15:00~17:30
株式会社は誰のものか

経営者は株主を選ぶことが出来るのかが問題となったブルドックソース事件(最決平成19年8月7日)について、会社法上どのような問題はあるのかについて検討します。

第3回 2018年12月9日(日) 12:15~14:45
非上場化を伴うMBOにおける取締役と監査役の義務

MBO(Management Buyout、経営者による買収)が行われる時、株主は現金による締め出し(キャッシュ・アウト)を迫られます。レックス・ホールディングス事件(東京高判平成25年4月17日)を素材にして、その時、株主は何が出来るのか、取締役と監査役は何をすべきなのかについて検討します。

第4回 2018年12月9日(日) 15:00~17:30
代表取締役の暴走と社外監査役の責任

代表取締役が暴走し、取り巻きの取締役はその暴走を止めることが出来ない場合、監査役、特に社外監査役は何をすべきなのでしょうか。セイクレスト事件(大阪高判平成27年5月21日)を通して、検討します。

 

※本講座のお申込受付は終了しました※