2021/3/22

医療キュレーター実践会 第33、34回 開催のご報告

医療キュレーター実践会では、医療、介護、健康、まちづくりの分野における新たな取り組みについて学ぶセミナー、自分で実行していける力をつけるためのワークショップ、メンバー同士でテーマを持ち寄り課題解決を実践していく、という取り組みを行っています。

今回は、代表の奥田が4ヶ月間デンマークのフォルケホイスコーレへ留学し、そこで体験した「対話」をテーマにしてzoomを用いて実験的に行いました。

1回目:デンマークのフォルケホイスコーレの紹介と対話
2回目:デンマークの医療事情紹介と対話

各回とも60分という枠の中で、
アイスブレイク
情報提供
対話
の順で進めました。
1回目は17名のお申し込みがあったので、ブレイクアウトルーム を活用し、
2回目は10名のお申し込みでしたので、全員で対話を行いました。

なるべくデンマークでの対話に近づける様に、相手を尊重し、自身の意見を自由に述べられる場作りを心がけました。また「大人にギャップイヤーは必要か?」の様に抽象的であったり「どちらか選ばないといけないとしたら不妊治療を望む女性と高齢の癌患者のどちらに医療費を使いますか」というあえて議論を呼ぶテーマを提示しました。

参加した方からは下記の様な感想をいただきました。
対話について
・いろんな方の意見がきけた
・立場の違いを超えてお話できた
・対話する事で生まれる新しい視点を感じた
・対話自体が楽しい
デンマークでは対話に対してお互いに影響を与えたり、社会を動かす力が包含されています。加えて対話が娯楽の様に生活に馴染み楽しんでいる節があったので、この場でも楽しさを感じていただけてよかったです。

一方で下記の様に、意見が変わる、知識を得るという目的の方には対話は物足りないこともわかりました。
・対話によって、自身の中に新しい視点は、持てるが、自分の意見が変わるようなディベートや時間がある対話ではないため
・変化というより確認できたかなという感じ
・特段の新しい知見は得られていない

フォルケホイスコーレの様な大人のギャップイヤーは必要だと思うか?について
・新しい視点、新しい発想で自分自身の人生を見つめ直す時間が必要だと感じているから。
・物事にサイクルが早くなり、自身のスキルが陳腐化するのも早くなった。
・社会で長く働き続けるには、一度立ち止まって考える時間も必要だと考えるから。
・今の置かれている環境から一歩外に出て自分がやりたい事を見つける
フォルケホイスコーレという日本には馴染みがない学校、時間の過ごし方に対してその価値を伝えることができました。

日本の医療制度について
・予防への転換、治療の進化
・医療制度の枠組みでなく、社会保障全体で仕組みを変更する必要を感じるから。
・医療DXの大幅な遅れ

じっくり考えたり話す機械が少ない、日本の医療制度や社会保障制度について対話することで、各自の心の中で医療の将来像が形作られていたかもしれません。

医療や社会保障制度は市民が自分ごととして考え、意見を述べなければならない重要な分野です。それには対話は有効だと感じます。今後も医療従事者やビジネスパーソンがフラットに参加できる対話の場づくりができたらと考えています。

ご参加下さった皆さん、ありがとうございました!
          グラレコ いただきました〜