2016/3/26

「IBAは卒業してからが本番」

小田川剛さん 2016年3月ビジネススクール(BS)修了

先日、10期秋入学の皆様を中心とした修了式が行われ、祝福とともにもうそんな時期かと時の早さに驚きました。しかし一方で、IBAでの2年間が何年も前のように思えたりする今日でもあります。そんな今、卒業後の近況について述べさせて頂きます。

①2年間を振り返って

まず、IBAに向かう姿勢として重要だと思った点を2点挙げます。

1つ目は『なぜ学ぶのか』という目的意識を持つことです。これがないと流されます(笑)。講義で取り扱う理論の深堀りや事例に対する自分なりの解釈、職場での実践、社会への問題提起など何でもいいです。その講義を通じて何を学ぶのか、どうしたいのか。これを意識するだけで授業の理解度・取り組み方が変わります。これから学ぶ方には是非この点を押さえて欲しいと思います。

2つ目は『講義と講義の関連性』を自分なりに捉え全体俯瞰することです。例えば、人的資源管理という講義で女性、高齢者、非正規雇用者の活用について学びましたが、IBAでは単にその特徴・違いについての理解に留めず、これが企業の経営戦略にどう影響するかについて考えることが重要です。企業規模、成長ステージによって異なるかもしれませんし、そのベースには企業倫理の考え方があるかもしれません。これから学ぶ方には専攻を意識しすぎず、受講した講義と講義の関連性を意識して大きく捉え、自分なりの『経営ビジョン』を作り上げていって欲しいと思います。

②学会発表

卒業して2か月後の5月。課題研究で取り扱った『IPO市場における初期収益率と天候との関係』について、日本ファイナンス学会で発表させて頂きました。私はアントレ専攻でしたが修士論文は学術的に論じたいと思い、岡田先生に指導を仰ぎました。IPO puzzleをテーマに何を書こうか悩んでいたある日、初期収益率にはアノマリーがあるようにふと気づきました。そこで日付、曜日、天候との関連性を精査していった次第ですが、前述した関連性を意識していたことが結果に繋がったように思います。

③イノベーション合宿

8月下旬、関学イノベーション研究会(イノベ研)と慶應SDMとの合同合宿が千刈キャンパスで行われました。私もイノベ研メンバーとして初参加しましたが、非常に濃い2日間で多大な刺激を受けて帰ってきました。今、IBAでは玉田先生と冨田先生が中心となって『デザイン思考』『イノベーション創出』に注力していますが、これほど先端的な講義を身近で受講できるとは本当にラッキーだと思います。これからもイノベ研への参加、講義の聴講など続けていきたいと思います。

最後になりますが、卒業後の感想として『IBAは卒業してからが本番』だと思います。この経験をどう活かすのか。そもそも活かせる『何か』が身に着いたのか。正直厳しい現実ですが、幸いなことに素晴らしい先生方、仲間に恵まれ、『学び』を継続する環境も整っています。後は生かすも殺すも自分次第です。2年間、我儘を言って面倒をかけた家族の為にもこれから益々精進していきたいと思います。